コミュニティー参加権というNFTアートの新たな側面
今回は、今話題のNFTプロジェクトについて解説していきます!
エイベックスの松浦勝人CEOのTwitterアイコンになり話題のBored Ape Yacht Club(BAYC)について紹介します。
神風と書かれた日の丸のバンダナを巻いた猿のイラストを見てください。これは松浦勝人さんのものです。Twitterなどを良く見る方なら、Bored Ape Yacht Clubを見たことがあるかもしれません。
Bored Apes(退屈した猿)とは?
Bored Apesは、米国のデラウェア州に拠点を置くYuga Labs社がブロックチェーン上でデザインし、作成されたものです。イーサリアムのブロックチェーン上に存在する172の特徴からランダムに作成された1万匹の退屈した猿からなるBored Ape Yacht Clubに属しています。猿たちは、CryptoPunksやArt Blocksに続くNFTプロジェクトとして、人気を集めています。
なぜ1万点あるのか?
NFTのアートには大きく分けて2つのタイプがあります。まず、現実の絵画と同じように、1点もののビジュアルアート作品として販売されているものです。クリスティーズのオークションで6900万ドルという高額で落札されたビープルのNFTを思い出してください。次に、「Bored Ape Yacht Club」のようなNFTコレクション、または「プロジェクト」があります。これはポケモンカードのようなもので、用いて数百から数千の作り、それぞれのレア度をランク付けしていくものです。BAYCの場合、1万匹の猿が存在し、それぞれが異なる「特性」(毛皮の種類、顔の表情、服、アクセサリーなど)を持っています。
6900万ドル(約75億ドル)で落札されBeepleのNFT作品
NFT(非代替性トークン)の分野で最も成功したコレクションの一つであるBAYCは、4月に発売され、現在、最も安い価格で購入できるのは49イーサリアムで、約23万ドルです。もっと高い値段で売られることもあります。このコレクションを開発したチームは、Adidasとのコラボレーション契約を結んだばかりで、先月にはBAYCの退屈した猿がRolling Stone誌の表紙を飾りました。
Bored Apeの特徴
Bored Apeのプロジェクトは、他のNFTベンチャーとは、3つの点で異なります。
第1に、Bored Apesの購入者は、デジタル資産の所有権だけでなく、画像自体の知的財産権も得ることができます。これは、今のところ、暗号芸術の分野では非常に珍しいことです。
第2に、mutant serumsと呼ばれる変異血清によってもたらされる相互作用的な要素があります。血清と呼ばれる新たなNFTを加えて購入することによって、突然変異した退屈した猿のNFTを作成することができます。(血清には3つのランクがあり、それぞれレアリティがことなっています。)このような遊び心ある相互作用性は、今後のNFTがさらに広がっていくための土台になっていくでしょう。
第3に、Bored Ape NFTのオーナーには、会員制のオンラインコミュニティに入会する権利が与えられます。
突然変異した退屈した猿
・「Bored Ape Yacht Club」の由来
プロジェクト名の「Bored Ape Yacht Club」は、「aping in」(リスクを考えずに新しい仮想通貨やNFTを購入するという意味のスラング)で一攫千金を手に入れ、その結果、ミームを作ったり、分析について議論する以外に何もできないほど退屈している人たちのためのクラブを表しています。
コミュニティへの参加権という新たな価値
2021年の初めに、このプロジェクトの開発メンバーが。Crypto PunksやHashmasksのような、ある種の文化的通貨となっている現代の遺物や「Crypto Twitter」を見て、収集可能なアートとゲーム的な要素によるコミュニティのメンバーシップを組み合わせたらどうなろうと思いついたことが始まりでした。
この発想から、没入感のある幻想的な世界で何かをしたり、同じ考えを持つ人たちと話したりする機会を設けることが必要だと考えました。NFTアートには、コレクションの所有者を暗号で確認できる機能があるのに、実用性がないものが多いという課題からコミュニティという価値を見出しました。
これこそが、Bored Yacht Ape ClubのNFTを所有することの「特典」です。著名人を含むBored apeのオーナーがコミュニティーメンバーになると、専用のDiscordサーバーや、コラボ用の落書きスペースとして機能するデジタルエリア「The Bathroom」ヘのアクセスなどの特典を得ることができる。
また、クラブメンバーには、NFTが無料で提供され、リセールすることもできます。つまり、特別な権利を持つ猿の所有者の付き制限付きのオンラインコミュニティのようなものです。美術品を鑑賞するための排他的な協会と呼ぶこともできます。
今後の展望
Bored Yacht Ape Clubは、複数のミュージシャンとパートナーシップを検討していますが詳細はまだ明かされえていません。
また、コレクターが自分の猿をメタバースのさまざまな場所にアップロードできる相互運用性のある未来を運営は考えています。例えば、例えば、「Fortnite」のような人気ゲームの中に猿が登場し、ユーザーがBored Ape Yacht Clubのデジタルグッズを着せることができるようになるかもしれません。