イタリアの自動車メーカーAlfa Romeo(アルファロメオ)は2/8、新型SUVに「トナーレ」を発表しました。このSUVに独自のNFTが搭載されており、自動車業界の新しい試みとして注目されています。
「トナーレ」は、2022年の冬に注文を開始し、2023年の春に出荷を開始する予定です。
NFTとは?
NFT(Non-fungible token )は、日本語では「非代替性トークン」と呼ばれています。NFTは他の物と交換できないユニークなデジタル資産のことで、ブロックチェーン技術を用いて検証・保存されている、偽造や複製が不可能な仕組みになっています。
ブロックチェーンは現在、不動産取引からスポーツファンのファン・トークンまであらゆるものと結びついています。NFTは、最近、企業がこの新しい技術に乗り込もうと競い合っていることで注目されています。
NFTの活用方法:定期点検等のデータを保存
NFTは車両データを記録し、適切にメンテナンスされていることを保証するために使用できる証明書を作成します。
これによって、リセールバリューにプラスの影響を与えることができます。
定期点検データを記録するためには、データを記録するためには、アルファロメオの認定ディーラーで整備を受ける必要があります。またこのデータは、車の所有者の同意のもとデータを記録していきます。
車に搭載されるNFTは将来の購入者にも役立つ可能性があります。
例として、車が何人もの人の手を渡ったり、オークションでデータを失ったりした場合です。
ブロックチェーンの台帳には、車が事故を起こしていないか、走行距離がリセットされていないか、ブレーキやサスペンションに繰り返し問題が発生していないかといった重要な情報が記録されます。
これらの情報は、全て公的に検証可能で、改ざんすることも事実上不可能です。今後、車に搭載されるNFTは、必要不可欠になるかもしれません。
アルファロメオについて
アルファロメオは1919年に創業し、現在は、フィアット、クライスラー、ダッジなどを傘下に持つステラングループが所有しています。近年は業績が振るわず、2019年以降の年間販売台数は米国市場で1万9,000台を下回っています。
2027年までにガソリン車からEV車に切り替えるという目標や今回のNFT導入など、未来志向に方針転換しています。
他の自動車メーカーのNFTを活用した試み
ランボルギーニ、ロールス・ロイス、メルセデス・ベンツなどの高級車メーカーも、NFTを使った実証実験を行っています。
ランボルギーニは、最初のNFTプロジェクトとして、ランボルギーニ・ウルティマエが宇宙に行く様子を描いた5枚の写真をセットにした「Space Time Memory」を発表しました。
メルセデスは、Art2Peopleと強力して、Gクラスのラインナップからインスピレーションを得たメルセデス・ベンツのNFTコレクションを限定発売しました。
自動車メーカーは、10年後に2,400億ドルに達すると予想されるNFT市場への投資を拡大しています。独自のコレクタブルNFTをミントして、車両購入時に同梱することがあります。