NFTとは
NFTはブロックチェーンを介してデジタルで保護されたトークンの1種です。
NFTは複製や偽造が不可能で、基本的に世界に1つしかないトークンです。通常の仮想通貨と異なるのは、通常の暗号トークンや不換紙幣は同じ資産を別のものに即座に交換することができますが、NFTはできません。
フラクショナルNFT(F-NFT)とは?
フラクショナルNFT(F-NFT)とは、NFT全体を細かく分割したもので、同じNFTの一部を異なる人数が所有することを可能にします。NFTはスマートコントラクトを利用して分割され、分割できないオリジナルにリンクした一定数のトークンが発行されます。
この分割されたトークンにより、各所有者はNFTの所有権を一定割合で保有し、流通市場で取引や交換ができるようになります。
フラクショナルNFTの仕組み
フラクショナル(分散)化では、NFTの所有権のみが分割され、NFTそのものは、分割されません。F-NFTは、家の所有権を分割するのと同じ仕組みで、家そのものを物理的に半分に分割しなくても、2人で1つの家を所有することができるのです。
NFT全体から一定数の株式(1,000株、10,000株、100億株)を作成し、固定価格で販売します。この株式は、元のNFTの価値に影響を与えることなく、流通市場で売買することができます。
NFTのフラクショナル化プロセスでは、スマートコントラクトが標準的なNFTのトークンの1つであるERC-721アセットを、交換可能なE-RC20トークンに分割します。ERC-20トークンの量は、基本的に無限です。
フラクショナルNFTと従来のNFTの違い
従来のNFTはNFTそのもので、F-NFTはフラクショナル(分散)化されたものであるため、両者の違いは明らかです。
ただ、注目するべきポイントは、フラクショナル(分散)化のプロセスを逆にして、F-NFTをNFT全体に戻すことができる点です。NFTをフラクショナル(分散)化するスマートコントラクトに通常、買取オプションがあります。つまり、投資家が全てのF-NFTを全て買い取ることができたら、元のNFTのロックを解除することが可能です。
フラクショナルNFTの特徴
イーサリアムに限定されない
NFTとF-NFTはイーサリアムのブロックチェーンだけに限定されません。
フラクショナル化は、スマートコントラクトとNFTをサポートするどのブロックチェーンネットワークでも機能することができます。Polygon(MATIC)、Cardano(ADA)、Solana(SOL)などの代替ネットワークは全てのスマートコントラクトにサポートしており、NFTの作成と転送を促進することが可能です。これらのネットワークには、取引時間が短く、ガス代もかからないという利点があります。
フラクショナルNFTのメリット
NFTの民主化
フラクショナル化はNFTの所有権を民主化します。大金を払わなくてもNFT市場に参加できるようになり、より多くの小口投資家に市場を解放するすることができます。またNFTの価格が上昇しても、価格の高さがNFT市場への参加の妨げにならないため、市場が鈍化することはありません。
流動性の増加
NFTは非流動性の資産であるため、特に流動性の高い資産ではありません。しかし、F-NFTは取引所で用意に取引することができ、小口投資家の参加を可能にすることで、流動性を向上させます。
NFTの価格発見が容易
フラクショナル化によりNFTの価格発見が容易になります。F-NFTのERC-20トークンは公開市場で取引されるため,ERC-20トークンのフラクショナル(分散)化を解除する価格を指定できるNFTの買取オプションを通じても可能です。
フラクショナルNFTの例
「Doge」柴犬のミーム
有名なDOGE COINのインスピレーションとなったDoge ミームです。Doge ミームのNFTは、昨年6月にPleasrDAO集団によって400万ドルで購入され、その後170億パーツにもフラクショナル(分散)化され、人々はわずか1ドルでその一部を所有することができるようになりました。記事作成時点では50億円以上の価値がついています。
フラクショナルNFTのリスク
F-NFTには、IP問題、契約問題、肖像権などの懸念があるため、多くの欠点が考えられます。また、金融規制当局がF-NFTを証券とみなす可能性もあり、取引にまつわる法的問題が発生する可能性があります。