アート業界で、NFTが活用されていることは有名です。しかし、海外では音楽業界でもNFTが活用され始めて注目を集めています。そこで今回は、音楽業界のNFT活用について紹介しようと思います。
NFTとは
NFTは、ブロックチェーンを活用したデジタル台帳に保存されているレアなコレクターズアイテムと定義されています。
アーティストやミュージシャンは、NFTを作成することでイーサリアムなどの仮想通貨を使って支払いをするファンに対して、様々なデジタルな商品をオークションにかけることができます。NFTは1個限定や5個限定など数量を販売側が設定することができます。
NFTの革新的な点は、インターネット上で限定商品を複製や改ざんができない形で販売することができるようになったことです。
音楽業界について
大手音楽レーベルは、アーティストに資金を提供し、指導を行い、大量に流通させ、成功するための戦略を提供することで、長い間、音楽業界で大きな力を持っていました。
しかし、その見返りとして、レーベルはアーティストの創作権と原盤権を持ち、永久に音楽を使用することが可能です。
現在はストリーミングで音楽を聴くことが主流になっています。
2019年と2020年のデータによると、ストリーミング報酬の90%はトップ1%のアーティストに支払われています。
年間数百万回の再生されるアーティストでも、ストリーミングから得られる収入は月に数万円程度で生活費を稼ぐことができません。
NFTの魅力
新たな収益源になる
オンラインサロンやクラウドファンディングのような新たな収益源にすることができます。
人々がデジタル資産に大きな価値を見出すことで、多額な報酬を得ることができます。
2021年2月には、DJ兼音楽プロデューサーの3LAUがアルバムUltravioletを NFTをリリースしてわずか24時間で1,160万ドル(約11億円)を売上、業界の記録を塗り替えました。
カナダのミュージシャン、グライムスが20分で580万ドルを売上ました。
DJのスティーブ・アオキも2021年の3月にNFTを発売して420万ドル稼ぎました。
このような高額の報酬は、通常であればアーティストが何年もかけて回収するものです。
しかしNFTは、流通ための中間業者が少ないため、アーティストが直接ファンにトークン化された楽曲、デジタルアート、バーチャルとリアルの商品をセットにして販売することで、何百万ドルもの収益を上げているアーティストもいます。
あらゆるものをNFT化できる。
楽曲、アートワーク、テキスト、アプリ、ファイル、さらにコンサートチケットや独自のグッズなどの実在するものまで、すべてにNFTを付与することができます。
これによってアーティストやコンテンツ制作者はファンに新しい体験を提供することができます。
ロイヤリティを設定することができる。
NFTは、二次流通でリセールされるたびに、ロイヤリティ(売り上げの数%)をアーティストが受け取ることができます。
今までは、メルカリやBookoffでCDやグッズが2次流通で販売されても1円もアーティストに還元されることはありませんでした。しかし、今後はNFTがリセールされるたびに収益を永続的に獲得することができます。
大手レーベルの動き
業界大手の会社もこの分野に取り残されないように、足を踏み入れています。
ワーナーミュージックは、デジタルアバターやアバター用のウェアラブルのNFTを制作するGenies社と提携しています。グラミー賞も記念NFTの販売を行っています。
ユニバーサルミュージックは、人気NFTプロジェクト「Bored Ape Yacht Club」のキャラクターを起用した「KINGSHIP」というバンドを結成しました。
まとめ
NFTは、デジタル資産として、アーティストがコンテンツを販売する新しい方法として普及する可能性があります。
大手のレーベルも個人のアーティストも新たな収益源として注目しています。