ロシアによるウクライナ侵攻が2月24日から始まりました。
ロシアに対する制裁やアノニマスの宣戦布告など関連ニュースが連日取り上げられています。
今回は、ウクライナ侵攻が仮想通貨に与えた影響や戦争中の仮想通貨の使われ方、制裁などを紹介します。
ビットコイン2月17日以来500万円を超える。
3月1日、日本時間の午前1時にビットコインは500万円を超えました。
ロシアによるウクライナ侵攻が暗号通貨への需要を高めている兆候を強めている中、ビットコインは火曜日も上昇を続けて、2月17日以来初めて500万円(44,000ドル)を超えて取引されました。
この、急騰は、米国と欧州連合(EU)からの厳しい制裁により暴落したルーブルから逃れるためにロシア人が集まっていることが一因として考えられます。
米国のバイデン政権が発表した制裁は、アメリカ人とロシアの中央銀行の取引を事実上禁止し、アメリカ国内の資産を凍結するものです。
暗号通貨と米国株の相関が低下
ロシアがウクライナに侵攻した当初は、仮想通貨は先週、株式と連動して下落しましたが、その後、上昇を続けています。ビットコインは過去5日間で10.8%上昇し、ダウ平均は1.0%下落しています。Solonaは11.4%,ETHも11%上昇しています。
これまでは、米国株とビットコインのような仮想通貨では、下降相場では、強い相関関係がありました。しかし、ロシアのウクライナ侵攻やロシアへの制裁でビットコインと株価の相関が低下しています。専門家は、この戦争がビットコインの転換期になるかもしれないと注視しています。
ロシアやウクライナで暗号通貨の取引急増
ロシアによる侵攻が始まった木曜日以降、法定通貨であるロシアのルーブル(RUB)とウクライナのフリヴニャ(UAH)による、ビットコインの取引は、数ヶ月で最高レベルに急騰しました。ロシア軍が攻撃を開始した同じ2月24日に、ウクライナの取引所Kunaの全トークンの24時間の総取引量がおよそ440万ドルに跳ね上がっています。
ロシアとウクライナの住民の多くは、それぞれの国の法定通貨の安定性に対する懸念から、取引所での取引活動を活性化させています。また親ウクライナのための寄付を募る手段として暗号を使用しているようです。
RUBとUAHの両取引ペアの出来高は、BTC-USDなどの他のペアの出来高よりも急速に増加していて、危機が取引行動に直接影響を与えていることを示唆しています。
ビットコインがロシアのルーブル時価総額を超える
月曜日に4,1000ドルを超える価格まで上昇したビットコインの時価総額は、ロシアのルーブルの時価総額を上回りました。
ビットコインの時価総額は月曜日におよそ7,800億ドルまで急騰しています。一方で、ロシア中央銀行によると2月1日時点で65兆3000億ルーブル(公表時6290億ドル)でした。
ウクライナ政府、暗号通貨での寄付求める
ウクライナの公式Twitterアカウントは、仮想通貨の寄付を受付中とツイートし、ウクライナとともに立ち上がるように呼びかかけました。
ウクライナ政府は、ロシアが侵攻するわずか数日前に暗号通貨を正式に合法化しました。
Ellipticのデータによると、過去5日間で2200万ドル(約25億円)以上の暗号通貨が集まっています。
ウクライナ政府 全ロシア人ユーザーの口座凍結を要求
ウクライナの副首相Mykhailo Fedorov氏は日曜日に暗号取引所に対してロシアの民間人を含めた全てユーザーをブロックするように呼びかけました。
Binanceは一方的なアカウントの凍結する計画はないと発表しています。
Binanceは、この呼びかけに対して、「暗号は、世界中の人々に、より大きな金融の自由を提供することを意味します。一方的に人々の暗号へのアクセス禁止を決定することは、暗号が存在する理由に反していることになります」とコメントしました。
大手取引所のCoinbaseやKrakenもアカウントの凍結はしないことを発表しています。