平井卓也元デジタル担当大臣ら自民党デジタル社会推進本部のメンバーが岸田首相と会談し、「Web3.0」と呼ばれる次世代インターネットを岸田内閣の成長戦略の中心に据えるべきとの提言を行いました。
記事では、Web3.0とは何かも分かりやすく解説しています。
会談の概要:Web3.0を成長戦略に
首相との会談の詳細は明らかにされていませんが、日本が諸外国に遅れを取らないように、岸田内閣の成長戦略にWeb3.0を位置づけたいという平井議員が説明したり、平良将議員が座長を務める「NFT政策検討プロジェクトチーム」が作成したNFTホワイトペーパーについて説明しました。
首相官邸を訪問した平議員は、木原誠二官房副長官とともに、首相の指示で議論を進めることになったことをTwitterで報告しています。
自民党 Web3.0推進チームの動き
日本では、自民党の検討チームが3月に「NFTを成長戦略の柱とすべき」として制度整備に向けた提言をまとめました。
また、日本初のパブリッブロックチェーン「ASTAR Network(ASTR)」を開発したステイクテクノロジーズの渡辺壮太CEOが、自民党の河野太郎広報部長、自民党デジタル社会推進本部の平将明議員とWeb3.0に関する特別対談を行いました。
対談で、3者はWeb3.0を日本の国家戦略に取り入れることの重要性を確認しています。
対談の全文は、こちらで読めます。
https://www.jimin.jp/news/information/203264.html
Web3.0とは?
新しいインターネットの在り方をWeb3.0
NFTを含むブロックチェーンなどの技術がもたらす新しいインターネットの在り方をWeb3.0と呼びます。Web3.0は、インターネットの第3世代を意味する言葉です。
第1世代「Web1.0」
Web1.0では、ユーザーがほぼ一方的に情報を受け取っていました。
第2世代「Web2.0」
Web2.0では、SNSによって、相互作用的な人と人とのつながりが飛躍的に広がりました。一方、GAFAと呼ばれる大手IT企業のプラットフォームが膨大なデータを保有していて、寡占が進むにつれて、その弊害も大きくなっています。
第3世代「Web3.0」
Web3.0は、現在の中央集権的なウェブをWeb2.0と定義し、ブロックチェーンを活用した分散型ネットワークを実現しようとする試みです
Web3.0の世界では、トークンでインセンティブを得た人々がこれまで会社だったものをDAO「自立分散型組織」として運営することができます。
Web3.0における日本の課題
日本では、企業が保有する暗号資産が現金収入を得ていなくても課税対象となることや、新規暗号資産の事前審査に長い時間がかかるため、多くのスタートアップ企業が日本から撤退してしまうなど、課題が山積みです。
日本から世界で戦えるWeb3.0企業を輩出するために、法人が保有する暗号資産への年末調整課税など、税制や制度の問題が指摘されています。
アメリカ・イギリスのWeb3.0成長戦略
3月には、アメリカのバイデン大統領がデジタル資産の活用に向けた政府全体の協調政策を推進する大統領令に署名しました。
4月4日、イギリス財務省は、イギリス王立造幣局と協力して、今年の夏に限定NFTを発行する計画をしました。また、「イギリスを仮想通貨技術(暗号資産)のハブに」と題したプレスリリースを発表しています。