自民党デジタル社会推進本部のNFT政策検討PTは3月30日に、「NFTホワイトペーパー(案)」を発表しました。
この記事では、NFTホワイトペーパー(案)の注目ポイントを解説します。
ホワイトペーパーでは、6つのテーマ、24の論点について提言しています。
ホワイトペーパーでは、現状の問題に即した仮想通貨、NFT、DAOを含めたWeb3の日本での発展に向けた提言がまとめられています。
Web3は、インターネットやデジタル経済の構造を根底から覆す技術革新の新しい波と定義され、日本が新しいデジタル経済圏をリードするための社会基盤やルール作りを急ぐべきだと提言しています。
同チームは、近く政府に提言書を提出する予定です。
取り上げられた6個のテーマ
- 国家戦略の制定・推進体制の構築
- NFTビジネスの発展に必要な施策
- コンテンツホルダーの権利保護に必要な施策
- 利用者保護に必要な施策
- NFTビジネスを支えるBCエコシステムの健全な育成に必要な施策
- 社会法益の保護に必要な施策
キーポイント
今回の提言は、Web3時代の到来は日本にとっての大きなチャンスであるが、今のままでは、乗り遅れてしまう強い危機感から発表されました。
・税制上の問題点
暗号資産のベンチャーがトークンを発行する場合、経営の主導権を握るために一定のガバナンストークンを保有する必要があります。日本では、ガバナンストークンが時価で課税されます。この課税のために、ブロックチェーン領域のスタートアップや技術者が日本で創業することができず、海外に人材が流出しています。
また個人による仮想通貨取引で出た利益は、雑所得になります。その為、累進課税で最大、住民税10%と合わせて、55%になります。
ホワイトペーパーでは、株と同様に20%の分離課税の対象とする可能性を含めて検討すべきとしています。
ホワイトペーパーでは、税制を改正し、自社の発行者が保有するトークンの時価評価課税の問題の取り扱いを見直すべきとしています。
・消費者保護や著作権などの問題
消費者保護の観点
現行法では、第三者に対して権利侵害を主張できないことや、NFTの2次流通が販売されたプラットフォームでしかできないケースがあるなどの消費者保護の問題点がホワイトペーパーで取り上げられています。
著作権に関する問題点
コンテンツホルダー(コンテンツの著作権など諸々権利を持つ人、団体、法人のこと)向けの著作権保護に関する問題点も指摘されています。
外観に特徴のある量産品を模倣したデジタルデータをNFT化しても、著作権や意匠権で十分に保護されないなどの問題点が指摘されました。
・Web3担当大臣設置の提言
ホワイトペーパーでは、NFT、ブロックチェーン事業を推進するために、社会的なインフラやルールを早急に整備することを提唱しています。
その為に、Web3担当大臣の設置や、省庁横断的な窓口の設置を求めています。
NFTの二次流通で得た収益の還元ルール、仮想通貨を一定条件下でエスクローサービス(取引の安全性を保障するサービス)で管理できるようにする方針
NFT政策検討PT(プロジェクトチーム)とは
NFT政策検討PTは、自民党内のデジタル社会推進本部に2022年1月に設置されました。
このPTでは、NFT、ブロックチェーンの関連事業政策提言を行っています。
政府が今年の夏ごろ発表する「国家成長戦略」では、NFTを筆頭にブロックチェーン技術を含むエコシステムを政策提言する予定です。
座長:平将明衆議院議員とは?
自民党:衆議院議員の平将明(たいら まさあき)氏は、先端技術に深い知見を有していることから、前デジタル担当大臣からNFT特別担当に任命されました。
平将明(氏は、座長に就任したことをTwitterで発表後、フォロワーが約1万人増えました。
多く人が国に、暗号資産の税制改正などに期待を寄せていることが分かります。
提言書:NFTホワイトペーパー(案)の原本を読む方法
平 将明議員の公式サイトで公開されています
同氏の公式サイトでは、NFTホワイトペーパーへの一般から意見を募集しています。
お問い合わせから、意見を送ることができます。
提言書:NFTホワイトペーパー(案)の原本を読む方法:https://www.taira-m.jp/2022/03/nft.html
お問い合わせはこちら:https://www.taira-m.jp/2022/03/nft.html