ドバイ、メタバース戦略を発表 5年で世界トップの市場を目指す計画

画像引用元:パブリックドメインQ

7月18日にWAM(国営エミレーツ通信)で発表された「ドバイ・メタバース戦略」は、2030年までに1,000社以上のブロックチェーンとメタバース企業を誘致し、4万人以上のバーチャルジョブを支援することを目指してしています。

ドバイ皇太子による発表

ドバイのハムダン皇太子は、自身のTwitterアカウントで「ドバイ・メタバース戦略」を発表しました。この戦略は、モハメド副大統領兼首相が掲げる同国の将来像に沿ったものです。

国家として、メタバースに注力する理由

ドバイ・メタバース戦略は、アラブ首長国連邦のAI戦略の目標に沿ったもので、新技術への投資により、未来志向の分野で世界有数の国としての首長国の地位を高めようとするものです。

またこの戦略は、ユーザーにとって安全でセキュアなプラットフォームを作るための世界標準技術を作り、これらの技術の採用を加速させるためのインフラと規制を作ることも背景にあります。

4万人の雇用を創出

ドバイ メタバース戦略の中身

ドバイ・メタバース戦略では、観光、教育、小売り、リモートワーク、ヘルスケア、法務などの主要分野において、Web3テクノロジーとそのアプリケーションの開発を促進、新しい政府のワークモデルや成長を実現するとしています。

その主な柱は、拡張現実(AR)、仮想現実(VR)、複合現実(MR)、デジタルツインなどのXRなどです。

メタバース戦略で掲げられた目標の一覧

  • ブロックチェーン・メタバースの企業数を今後5年で5倍に増やす。
  • 今後5年間で4万人のバーチャルジョブの創出と40億ドル(約5000億円)の市場規模に拡大する。
  • 地域No.1のメタバース経済、経済価値で世界トップテンに入る市場規模に成長させる。
  • 教育とトレーニングによるメタバース人材の育成
  • ドバイ政府によるメタバースのユースケースの開発

ドバイでの企業によるメタバースの活用

地元市によると、エミレーツ航空もメタバース分野への参入を表明しており、不動産産大手のダマック・プロパティーズ(DAMAC Properties)もデジタルシティ構想を検討しています。またヘルスケア大手でUAEを拠点とするThumbay Groupは、メタバースでの医療相談を検討しています。

ドバイにおけるメタバースの市場規模と今後の成長

ハムダン皇太子のツイートによると、現在、ドバイのメタバース・ブロックチェーンの分野で活躍する企業が既に1,000社以上あり、国家経済に5億ドル(約690億円)の貢献をしているようです。

また、世界的に見ると、メタバースにおけるベンチャーキャピタルとプライベートエクイティの融資は、2021年までに130億ドルに達したと考えられています。不動産売買は、昨年5億ドル超えました。

コンサルティング会社のPwCによると、2020年の報告書で、VRとARの技術は2030年までに40億ドル(約5530億円)をUAE経済にもたらす可能性があると述べています。

各国のメタバース戦略

UAEのほか、中国の上海市は最近、独自のメタバース戦略を発表し、2025年末までに3500億元(約520億ドル、約7兆2000億円)相当のメタバース経済を構築するとしています。

韓国も都市、教育、メディアのVR産業成長を拡大するためのメタバース・プラットフォームに2,237億ウォン(215億円)を拠出すると発表しています。

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