メタバース市場 2026年までに6.6兆円を突破、AR技術の普及拡大が牽引

画像引用元:ACイラスト

技術調査・アドバイザリー企業のTechnavioは、「金融におけるメタバース市場(コンポーネント別、地域別) – 予測と分析 2022-2026」と題する最新の市場調査報告書を発表しました。

レポートでは、金融におけるメタバース市場のシェアは、2021年から2026年にかけて503億7000万ドル(6.6兆円)に増加し、市場の成長の勢いは年平均成長率(CAGR)20.93%で加速するという予測を出しています。

地域別のメタバース市場予測

レポートでは、北米、欧州、APAC、南米、中東・アフリカの地域別の予測も発表しました。
地域別の成長率では、カナダと米国を中心とする北米地域が32%を占めると予想されます。暗号通貨とブロックチェーン技術の人気と受容の高まりは、予測期間中、北米の金融におけるメタバース市場の成長を促進するものと思われます。
また、その他の主要な消費国としては、中国とドイツが挙げられます。

ただ、メタバースへの関心は世界中で集まっていることも事実です。今月初め、アラブ首長国連邦はメタバース経済圏トップ10に入るべく、ドバイメタバース戦略を開始しました。

メタバース関連で伸びる業界

ハードウェア

ハードウェアメーカー新製品の投入により、世界のメタバース市場への浸透を図っています。したがって、このような製品投入の増加は、予測期間中のメタバース市場の成長を促進すると予想されます。

特にVR・ARデバイス(VRは仮想現実、ARは拡張現実)によるメタバース市場のシェア拡大が顕著となります。2021年の市場シェアは、VR・ARデバイスセグメントが最も高いシェアを占めています。これには、メタバースプラットフォーム上で対話するために使用される様々なヘッドセット、スマートグラス、レンズが含まれます。
VRまたはAR体験には、メタバースなどの仮想世界のユーザーの視界を変更または強化するためにカメラを使用することが含まれます。

銀行や金融機関

金融におけるメタバース市場も成長していくと予想されています。
レポートでは、要因として、銀行や金融機関が顧客サービスや体験を向上させるためにARデバイスやVRヘッドセットを迅速に導入していること、フィンテック・ソリューションの革新を加速させる最先端技術の導入、ハードウェア開発の高まりなどを挙げています。

ファッション,EC市場

Technavioの他のレポートによると、ファッション市場におけるメタバースのシェアは66億1000万ドルに拡大し、Eコマース市場では2026年までに604億7000万ドルに達すると予想されています。

メタバース上のARプログラムは、ユーザーがオンラインのバーチャルショッピングで新しい体験をすることを可能にします。
バーチャル試着室は、ユーザーが正しいサイズを選び、購入の返品を減らすのに役立ちます。同様のメリットは、新車の色選びやアパートの新しい家具選びにも関連しています。
これによって、教育、医療、小売、トレーニングなどのさまざまな分野におけるARおよびVR技術の適用領域の拡大は、予測期間中の世界のメタバース市場の成長を後押しするものと思われます。

課題 プライバシーとセキュリティの懸念

レポートでは、メタバースに対するプライバシーやセキュリティの懸念などの要因が、市場成長の課題となると解説しています。

メタバースはユーザーの個人データにアクセスすることができるため、プライバシーに対する脅威となることやハッカーがユーザーのデバイスにアクセスした場合、ユーザーのプライバシーが脅かされることでメタバース市場の成長を阻害する可能性があります。
スマートグラス、VRヘッドセットなどは、ユーザーの環境を自動的に選別・処理するため、ユーザーや周囲の人のプライバシーを侵害することが指摘されました。

他社のメタバース市場への予測

今年初めのブルームバーグとJPモルガンのレポートも、メタバース市場の大規模な拡大に関する同様のレポートを発表しています。
ブルームバーグは、メタバースのハードウェアとソフトウェアの採用により、2025年までに市場は約1400億ドルに拡大すると予測しています。

一方、銀行大手のJPモルガンは、メタバースは1兆ドル規模の市場であり、”今後数年のうちに何らかの形であらゆる分野に浸透していくだろう “と考えています。

関連リンク

Metaverse Market by Device and Geography – Forecast and Analysis 2022-2026 https://www.technavio.com/report/metaverse-market-industry-analysis

最新情報をチェックしよう!
>運営者情報

運営者情報

NFT METAまとめ運営事務局
運営会社